鮪坂46の鰤鮑烏賊丸です。

ドリトル先生シベリアゆき

【正直映画レビュー】『回路』

今回、映画『回路』を見た後に、自分がいつTwitterを始めたのか調べてみた。2010年らしい。

Twitterってわざわざ外に出なくても社会の嫌な部分が見えて結構嫌なんだけど、2001年公開のこの映画との繋がりを時空を超えて感じる。映画の中のセリフ通りに。

 

というわけで、黒沢清映画を追っていく中で、「絶対にめちゃくちゃ怖いから避け続けてきた」映画の『回路』を遂に見ました。クリーピーに始まってダゲレオタイプの女、CUREと見て、回路。むしろCUREを見たことで、もうどこにどんな怖いことが潜んでいるかわからなくなって回路以外も避けてました。どうせいつもの怖いカーテン出るんでしょ?と思って。出るし。何だあのビニールみたいなカーテン。

冒頭のナレーション(あれも麻生久美子?)にある通り「ある日それは何気なくこんな風に始まった」のを楽しむ作品ですね。19年も前のJホラー末期の名作を、よくも俺はあらすじも知らずに怯えていたものだ。麻生久美子めっちゃ若い。小雪もめっちゃ若い。

序盤のじわじわと何かが起きている間隔から急転直下で恐怖の底の底に持っていかれる。暗すぎてギリギリ何をしてるか分からない影の動きに不安にさせられてからの、あの歩いてくる場面。背中から肩あたりにゾワッと鳥肌が立った。怖すぎる。後半にドーンオブザデッド的展開で一気に突き進むドライブ感もお見事。

「死よりも、死後の永遠の孤独が恐ろしい」というテーマ感と、「インターネットが発達しても本当には誰も繋がっていない」というセリフがミックスされて、00年前後の時代感がそのまま切り出されてる感じはやっぱり世代的にエヴァ を感じまくる。加藤晴彦以外誰も前向きじゃないので、ますますディストピア感が増す。

凄まじく怖くて、テーマは観念的で、それでいて飽きずにグイグイ物語は進む、変な映画!面白かったー。まだまだ見てないのいっぱいあるので楽しみだな。流石にこれより怖いのないよね?